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ARTICLE 01|ローコード×MendixでPLMの利用価値を最大化するには?

PLMと現場業務を「つなぐ」という新しいアプローチ

本記事は、株式会社電通総研との共同研究「ローコードプラットフォームを活用したPLM利用価値最大化の手法とは?」をもとに構成した記事です。


製造業において、製品の企画・設計・生産・保守までの情報を一元的に管理するPLMは、製品開発を支える重要な基盤です。


一方で、PLMを導入したものの、次のような課題を抱えている企業も少なくありません。

・「現場では今もExcelを使っている」

・「PLMに情報は登録されているが、実際の業務では活用されていない」

・「業務を改善したくても、PLMの改修に時間とコストがかかる」


当社の業務提携先である株式会社電通総研との共同研究では、PLM導入後もExcel運用が残り、PLMに蓄積されたデータが業務プロセスや意思決定に十分活用されていない状況が明らかになっています。

また、PLM自体の改修が重く、小さな業務改善へ迅速に対応できないことも課題として挙げられています。


本記事では、ローコード開発プラットフォーム「Mendix」を活用し、PLMの利用価値をさらに高めるための考え方を紹介します。


共同研究「ローコードプラットフォームを活用したPLM利用価値最大化の手法とは?」概要
共同研究「ローコードプラットフォームを活用したPLM利用価値最大化の手法とは?」概要


PLMがうまく活用されない「3つの壁」

PLMが十分に活用されない背景には、大きく分けて3つの壁があります。


1.現場業務とのズレ

PLMの標準機能と、実際の現場業務が必ずしも一致するとは限りません。

入力項目や画面構成が現場の業務に合わない場合、担当者は使い慣れたExcelやメールへ戻ってしまいます。

その結果、PLMとExcelの両方に情報が存在する二重管理が発生し、どちらが正しい情報なのか分からなくなることもあります。


2.すぐに変えられない

製品開発を取り巻く環境や業務プロセスは常に変化します。

しかし、PLM本体の改修には、要件整理、設計、開発、テストなどが必要です。

小さな変更であっても時間やコストがかかり、現場が求めるスピードに追いつけないことがあります。


3.業務部門とIT部門の連携が回らない

業務部門が改善要望を出しても、IT部門へ意図が十分に伝わらず、調整に時間がかかる場合があります。

その結果、改善が後回しになり、現場は既存の運用で対応し続けることになります。


この3つの壁が、

・Excel

・メールへの逆戻り

・業務変化に追従できない

・使われないシステム化

につながります。


PLMをフルカスタマイズすれば解決するのか

現場に合わないのであれば、PLMを大幅にカスタマイズすればよいと考えるかもしれません。

しかし、必要以上にPLMをカスタマイズすると、導入・改修コストが膨らみ、バージョンアップや保守も複雑になります。


反対に、「既存機能に合わせて現場に運用で頑張ってもらう」という方法では、担当者の負担が増えます。

Excel運用をそのまま残せば、データの分断や二重管理も解消されません。


PLMを大きく変えるのでもなく、現場に無理をさせるのでもない。

そこで選択肢となるのが、PLMと現場業務の間にローコード開発プラットフォームを配置する方法です。


解決の鍵は、PLMを「変える」のではなく「つなぐ」こと

PLMは、図面、BOMなどの製品情報を正確に管理するための重要な基盤です。

一方、申請・承認、進捗管理、管理表、レポートといった現場業務の内容は、組織や製品、プロジェクトによって変化し続けます。こうした変化にPLM本体の改修で都度対応しようとすると、これまで見てきたように、要件整理や開発、テストなどに時間がかかり、変化のスピードに追いつきにくくなります。

そこで、安定性や正確性が求められるPLMは製品情報の基盤として維持しつつ、その外側に、現場業務の変化に柔軟に対応できるアプリケーションを構築するという考え方が有効です。

研究では、ローコードをPLMと現場業務の間を取り持つ「緩衝材」と位置付けています。PLM本体を大きく変更せず、現場が使いやすい画面やワークフローを追加することで、基盤の安定性と業務の柔軟性を両立させる考え方です。


「データを見る」だけでなく「データを使って業務を動かす」

PLMデータを可視化するだけであれば、BIツールを利用する方法もあります。

BIツールは、KPIの表示やデータ分析、レポート作成に適しています。

一方、ローコードで構築する業務アプリでは、データを見るだけでなく、入力、申請、承認、更新、他システムとの連携まで実行できます。


つまり、BIツールがPLMデータを「見る」ための仕組みであるのに対し、ローコードアプリはPLMデータを「使って業務を動かす」ための仕組みです。

PLM利用価値の最大化を考えるうえでは、情報を表示するだけでなく、その情報を基に次のアクションを実行できることが重要です。


MendixがPLM活用に適している理由

Mendixは、画面、データ、処理、ワークフローなどを視覚的なモデルで構築するローコード開発プラットフォームです。


研究では、Mendixの強みとして次の3点が挙げられています。

・セキュリティ、権限管理、監視ログなど、エンタープライズ利用を前提としたガバナンスと拡張性

・PLM、ERP、MESなどの基幹システムと、コネクタやAPIを通じて連携できる点

・モデル駆動開発とAI支援によって、設計・生成・テストを効率化し、開発の標準化や再利用を進められる点


これらを組み合わせることで、現場に適したアプリを迅速に構築し、PLMのデータを日々の業務に取り込めるようになります。



3つのデモで見る、PLM利用価値最大化の具体例

今回のシリーズでは、PLMとMendixを組み合わせた3つのデモを紹介します。

研究課題1:Excelによる成果物管理運用の改善

Excelファイルが複数作成され、最新版や承認状況が分からなくなる課題を、WebアプリとPLM連携によって解消します。



研究課題2:開発進捗レビューの高度化

進捗率だけを確認する会議から、遅延原因やボトルネックをその場で把握し、対策を決められる会議への変化を紹介します。



研究課題3:設計変更レビューの効率化

PLM、ERP、Excelなどに分散した情報を一つの画面に集約し、変更内容の確認から承認までを一連の流れで行う仕組みを紹介します。




PLMの価値は「登録すること」ではなく「使われ続けること」

PLMを導入しただけで、現場の業務が自動的に変わるわけではありません。


重要なのは、PLMに蓄積された情報が、日々の業務や判断の中で継続的に利用されることです。


ローコードを活用してPLMと業務、データ、意思決定をつなぐことで、PLMを単なる情報保管場所ではなく、現場の業務を動かす仕組みへと進化させられます。

PLM利用価値最大化の鍵は、「PLMを変えること」ではなく「業務とつなぐこと」にあります。


次の記事では、Excelで行われている成果物管理をMendixで一元化するデモを紹介します。


シリーズまとめ

今回の3つのデモでは、異なる業務課題を取り上げました。

・研究課題1:Excelによる成果物管理を一元化

・研究課題2:PLMデータを利用して遅延やボトルネックを把握し、進捗会議での意思決定を支援

・研究課題3:複数システムに分散した情報を集約し、設計変更レビューから承認までを一つの流れとして実行


共通しているのは、PLM本体を大きく変更するのではなく、Mendixを使ってPLMと現場業務をつないでいる点です。

ローコードによって業務、データ、意思決定を統合し、現場主導で改善を続けられる仕組みを構築することが、PLMの利用価値を最大化する一つの方法です。


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