【開発支援事例】Excel・メール・チャット中心の現場業務をDXを推進
- アルネッツ DX事業推進室
- 5月22日
- 読了時間: 6分
モバイルアプリと業務システム連携で、報告・確認・管理業務を効率化
点検、保守、清掃、設備管理、施工、メンテナンスなど、現場業務を伴う仕事では、写真報告や作業記録、進捗確認に多くの時間と手間がかかります。
たとえば、次のような課題はないでしょうか。
現場から送られてくる写真を毎回手作業で整理している
Excelやチャットツールで案件管理をしている
報告書作成に時間がかかっている
現場ごとに運用ルールが異なり属人化している
作業品質の確認や承認フローが統一されていない
これらは特定の業界だけの問題ではなく、多くの現場業務で共通して発生している課題です。
今回ご紹介する事例では、現場スタッフ向けのモバイルアプリと、運営・管理者向けのWebシステムを連携させることで、現場報告から管理業務、報告書作成までを一元化。従来ExcelやメッセージSNSなど複数ツールに分散していた業務を整理し、運用負荷の軽減と業務標準化を実現しました。
課題:現場業務は「情報整理」と「確認作業」に時間がかかる
現場業務では、作業そのものよりも、その後の情報整理や確認作業に多くの時間がかかるケースがあります。
特に多いのが、以下のような運用です。
現場スタッフがメッセージSNSなどで写真を送る
管理者が写真をダウンロード・整理する
Excelへ転記する
報告書を手作業で作成する
内容確認や承認を個人判断で行う
一見シンプルな運用に見えても、案件数や写真枚数が増えると、管理負荷は急激に高まります。
実際の現場では、1案件あたり数十〜100枚以上の写真が提出されることもあり、写真整理・確認・報告書作成だけで多くの工数が発生していました。
また、運用ルールが担当者ごとに異なることで、以下のような問題も起こりやすくなります。
確認観点が人によって異なる
作業品質にばらつきが出る
承認フローが属人化する
新人教育に時間がかかる
「誰が何を管理しているか」が見えにくい
このように、現場業務では「作業」だけでなく、その周辺にある管理業務が大きな負担になっているケースが少なくありません。

解決策:モバイルアプリと業務システムで現場業務を一元化
そこで、現場業務全体をシステム化し、現場と管理側をデータ連携する構成を採用しました。
現場スタッフ向け:モバイルアプリ
現場スタッフ向けには、スマートフォンから利用できるモバイルアプリを提供。
アプリ上で以下を完結できるようにしました。
作業指示の確認
現場写真の撮影
作業内容の登録
報告データの送信
これにより、従来のメッセージSNSの送信やファイル整理を削減し、現場から直接データを登録できる運用へ変更しました。
管理者向け:業務管理Webシステム
管理者向けには、Mendixを活用したWebシステムを構築。
提出された情報をリアルタイムで確認できるようにし、以下の業務を一元管理できるようにしました。
現場状況の確認
写真チェック
承認管理
作業履歴管理
報告書出力
従来のように、複数ツールを横断して確認する必要がなくなり、管理工数を大幅に削減しました。
技術的なポイント
React Native × Mendixによる役割分担
本システムでは、モバイルアプリをReact Nativeで開発し、管理システムをMendixで構築しました。
Mendixのネイティブモバイル機能ではなく、React Nativeを採用した理由は、モバイル特有のUI/UXや操作性への柔軟な対応を重視したためです。
また、Mendix側とはAPI連携を行い、モバイルアプリと業務システムを疎結合な構成で設計。
これにより、
将来的な機能追加
モバイル側の独立改修
保守性向上
システム拡張
などにも対応しやすい構成となりました。
Mendixによる柔軟かつスピーディーな業務改善
今回のプロジェクトでは、運用ルールや業務フローが開発途中でも変化する前提がありました。
そのため、画面・業務ロジック・データモデルを柔軟に変更しやすいMendixを採用。開発はスクラム開発で5カ月という期間で実施されました。
実際には、現場運用に合わせて機能追加や改善を繰り返しながら開発を進めることで、変化する要件にもスピーディに対応できました。
また、単なるアプリ導入ではなく、業務フロー整理とシステム標準化を同時に進めたことも大きなポイントです。

導入効果:確認中心の運用へシフト
システム導入後、現場から登録された写真や作業情報は自動的に管理システムへ連携されるようになりました。
これにより、従来発生していた以下の作業が大幅に削減されました。
写真ダウンロード
フォルダ整理
Excel転記
報告書作成
情報確認のやり直し
さらに、報告書も自動生成されるようになったことで、運営側は「作成」ではなく「確認・承認」を中心とした運用へ移行しました。
また、承認フローや確認観点をシステム上で標準化したことで、経験値に依存しづらい運用が可能となり、属人化の軽減にもつながっています。
現場業務DXで重要なのは「業務整理」
現場業務のDXというと、「ツール導入」や「アプリ開発」に注目されがちです。
しかし実際には、重要なのは現場の業務フローを整理し、誰でも運用できる形へ標準化することです。
今回の事例でも、単にシステム化するだけではなく、
現場と管理側の役割整理
承認フローの統一
データ管理方法の標準化
確認観点の整理
などを行いながら開発を進めました。
その結果、作業効率化だけでなく、品質向上や運用安定化にもつながっています。
まとめ
あらゆる現場業務では、Excel・メール・チャットツールなどを組み合わせた運用が今も多く残っています。
しかし、案件数や現場数が増えるほど、情報整理・確認・報告作業の負荷は大きくなり、属人化や品質ばらつきの原因にもなります。
今回の事例では、モバイルアプリと業務システムを連携させることで、現場報告から管理業務、報告書作成までを一元化しました。
特定業界に限らず、
点検
保守
メンテナンス
施工管理
フィールドサービス
設備管理
清掃
営業現場
など、現場と管理側が分かれている業務であれば、同様の課題改善につながる可能性があります。
現場業務のDXは、大規模刷新だけが正解ではありません。まずは、現場で日常的に発生している「見えない手間」を整理することが、DX推進の第一歩になります。
Excel・メッセージSNS運用から脱却したい方へ
「写真報告の管理に時間がかかっている」
「報告書作成を効率化したい」
「現場業務を標準化したい」
「Mendixを活用した業務改善に興味がある」
このような課題をお持ちの方は、ぜひアルネッツへご相談ください。
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